家庭は人が住まう場所としての家屋や

住居のことだけをいうのではなく、その住居が、たいていはそこに住まう人間にとって意味をもち、生活に都合がよいように獲得・配置している設備や備品、モノによって構成されている点に特徴がある。

また、そこに住まう人間は単に無関係な個々人の集まりではなく、家族はもとより、家族以外の人倫的関係で結ばれた人々も含まれる。

家族以外の人倫的な関係の集団というと日本語の「家庭」の語意からは想像しがたいが、たとえば英語の「ホーム」を用いて老人ホームやナーシング・ホームの人々というと容易に想像できるであろう。

すなわち、家庭は人とモノとの関係、人と人との関係がきわめて有機的なつながりをもって存在するところであるともいえる。

家事労働は私的生活圏である

個別の家庭内において行われる衣食住の調達・維持・管理のための仕事、および育児、病人や老齢者の世話、近隣地域活動など、家族単位の生活を営むうえで不可欠な仕事である。

具体的には掃除、洗濯、料理、買い物、子育て・教育、家族の世話、地域のゴミ処理・安全確保、親戚縁者や近隣とのつきあい、病人・高齢者介護などである。

この仕事の特徴は、家族の成員としての人間の生存に必要不可欠な仕事であるにもかかわらず、経済評価されず労働対価が支払われないことである。

そしておもに近代以降は主婦とよばれる既婚女性によって担われてきたことである。

核家族、拡大家族、独身者世帯などいずれの家族形態でも家事はあるが、家族員間サービスである限り無償である。

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